電子サイン(立会人型)完全ガイド
クラウドベースの電子契約サービスを活用した、効率的な契約締結の方法を解説します。
電子サイン(立会人型)とは
電子サインは、電子署名法の「電子署名」とは異なり、より簡便な契約締結手段として普及しているサービスです。第三者機関(立会人)がプラットフォームを提供し、契約の成立と保管を行います。
主な用途
- 取引基本契約書
- 秘密保持契約(NDA)
- 業務委託契約
- 雇用契約書
- 賃貸借契約書
特徴
- クラウドベースで完結
- 専用機器不要
- 即時利用可能
- 低コスト
- 手軽な操作性
主要サービス比較
以下は代表的な電子サインサービスの特徴です。(2024年1月現在)
DocuSign
- 料金: 基本プラン 5,000円/月~
- 特徴:
- 世界的シェア No.1
- 多言語対応
- 高度なセキュリティ
- 豊富なAPI連携
クラウドサイン
- 料金: 基本プラン 3,000円/月~
- 特徴:
- 国内シェア No.1
- 日本語UI最適化
- 豊富なテンプレート
- 手頃な価格設定
Adobe Sign
- 料金: 基本プラン 4,000円/月~
- 特徴:
- Adobe製品との連携
- PDFとの親和性
- 企業向け機能充実
- 高度なワークフロー
導入手順
Step 1: サービス選択のポイント
- 契約規模と頻度
- 月間の契約件数
- 同時進行する契約数
- 契約相手の数
- 必要な機能
- テンプレート機能
- 承認ワークフロー
- API連携の必要性
- 他システムとの連携
- コスト比較
- 初期費用
- 月額料金
- 従量課金の有無
Step 2: 利用開始手順
- アカウント作成
- 企業情報の登録
- 管理者アカウントの設定
- 支払い方法の登録
- 基本設定
- ユーザー追加
- 権限設定
- 契約テンプレートの作成
- 運用ルールの策定
- 契約フローの設計
- 承認ルールの設定
- 保管ルールの決定
重要な確認事項
- 契約相手の受容性確認
- 社内規程との整合性
- データバックアップ方法
- 監査証跡の保管期間
運用のベストプラクティス
1. 契約書作成のポイント
- テンプレートの活用
- 定型句の標準化
- 入力項目の設定
- 必須チェックの設定
- フォーマットの最適化
- モバイル表示の確認
- 署名欄の適切な配置
- ページ数の最適化
2. セキュリティ対策
- アクセス管理
- 二要素認証の設定
- IPアドレス制限
- パスワードポリシー
- データ保護
- 暗号化設定
- アクセスログの管理
- 定期的なバックアップ
運用効率化のヒント
- 契約書の一括送信機能の活用
- リマインダー機能の設定
- テンプレートライブラリの整備
- 承認フローの自動化
法的効力と注意点
電子サインの法的位置づけ
電子サイン(立会人型)は、電子署名法第3条の要件を満たさないため、推定効は働きませんが、民事訴訟法における文書としての証拠能力は認められています。
有効性を高めるポイント
- 契約当事者の同意確認
- 電子契約での締結合意
- 利用規約の確認
- 証跡の保管
- 監査ログの保存
- 契約プロセスの記録
- 本人確認記録の保管