飲食店許可申請
飲食店営業許可の取得
レストランや食堂などの飲食店営業(設備を設け食品を調理し客に飲食させる営業)を開業するには、営業所の所在地を管轄する保健所(食品衛生課)に対し、飲食店営業許可の申請手続きを行います。
レトルト食品を電子レンジで加熱する行為、お菓子や乾きものを袋から出してお皿に盛りつける・ノンアルコールだとしてもジュース類をグラスに注ぐ行為やなども調理とみなされますので飲食店営業許可は必要となります。
開封されていないジュース類や袋や箱に入ったお菓子などを販売するのみの場合は調理は一切行わないため、飲食店営業許可は不要となります。
自動販売機については、缶やペットボトルのジュースの自販機は不要ですが、紙コップの自販機で店内飲食を伴う場合は飲食店営業許可が必要です。
申請者の欠格事由
個人営業の場合は事業主が、法人の場合は業務を行う役員が、下記のいずれかに該当する場合は営業許可を受けることが出来ません。
- 食品衛生法または同法に基づく処分に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
- 食品衛生法第54条から第56条までの規定により許可を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
- 法人であって、その業務を行う役員のうちに上記のいずれかに該当する者があるもの
法人の場合は、役員のうち、一人でもこの要件に引っかかってしまう者がいると、許可が取れない場合もありますので注意が必要です。
また、「人」に関して重要なことがもう一つあります。それは、必ず「食品衛生責任者」を置かなければならないということです。
この資格は講習を受ければ取得することができるのですが、丸1日かかるため、オープン前の忙しい時期は避けて、早めに受講しておくことをおススメします。詳しくは、飲食店営業許可と食品衛生責任者をご参照ください。
また、スナックやバー、ガールズバー、ホストクラブ、ダーツバー、居酒屋など、「深夜における酒類提供飲食店営業」を営む際は、風営法上、「人」に関する欠格事由はありません。しかし、飲食店営業の許可では欠格事由の定めがあるのです。
「深夜における酒類提供飲食店営業」の届けの前段階である飲食店営業の許可を取る時点でこの欠格事由に当てはまってしまうと、飲食店の営業許可が取れず、結果的に深夜酒類提供飲食店営業の届も出せないということになってしまうのでご注意下さい。
営業許可の有効期限
都道府県知事は、第一項の許可に五年を下らない有効期間その他の必要な条件を付けることができるとあり、飲食店営業許可には原則として、5年以上の期限が付与されています。
保健所の管轄都道府県にもよりますが実際には新規で6年・更新で7年間の有効期限が付与されることが多いです。
許可の有効期限満了後も営業を継続する場合は、期限が満了する前に更新手続きが必要なので注意が必要です。
飲食店営業許可の設備要件
飲食店営業許可の取得に必要な営業所内の設備要件は下記のとおりです。
許可申請後、保健所の検査担当者が営業所の現場検査を行い、設備要件に適合しているかを実際に確認します。
調理場内の設備
客室・トイレ内の設備
許可申請に必要な書類
許可申請の際は、下記の書類を揃え営業所を管轄する保健所へ提出します。
- 営業許可申請書(様式書類)
- 営業設備の大要(様式書類)
- 営業設備の配置図(営業所の平面図、周辺地図)
- 食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者資格者証、調理師免許など)
- 法人登記事項証明書(申請者が法人の場合)
- 水質検査成績書(東京都の場合)
※大きさが10トン以下の貯水槽を使用する場合又は井戸水を使用する場合で、1年以内に発行されたもの - 検便検査の成績書(埼玉県、千葉県の場合)
- ※その他都道府県により要件の違う場合があるのでお問い合わせください
許可申請に必要な書類
飲食店営業では、営業所ごとに食品衛生責任者を配置することが義務付けられています。
食品衛生責任者になるための資格は、下記のとおりです。
- 調理師、栄養士、製菓衛生士、船舶料理士、食鳥処理衛生管理者、食品衛生管理者の資格を有する者
- 「食品衛生責任者養成講習」を修了した者
◆講習例:「社団法人・東京都食品衛生協会」(東京都)が主催する1日講習
◆講習例:「社団法人・埼玉県食品衛生協会」(埼玉県)が主催する1日講習
食品衛生責任者が交代した場合は、新たに食品衛生責任者になる方の資格を証明できるものを添付し「食品衛生責任者変更届」を提出します。
食品衛生責任者の講習は1日で終わるので取得は簡単ですが開催日程が決まっているので事前に講習を済ませておくことが安心です。
申請手続きのスケジュール
許可の申請手続きは下記の手順で行います。
広告出稿などを検討している場合、営業許可証が無いと契約ができない場合などもあるので早めに申請を行うことをお勧めします。